前立腺肥大症の治療と性機能の未来:もう「排尿」と「性生活」のどちらかを諦める必要はありません
はじめに:前立腺肥大症治療における、語られることの少ない恐怖
多くの男性が年齢を重ねるにつれて直面する前立腺肥大症(BPH)。夜中に何度もトイレに起きる、尿の勢いが弱い、残尿感があるといった症状は、日々の生活の質(QOL)を著しく低下させます 。しかし、多くの男性が治療に踏み切れない背景には、症状そのものよりも大きな、そして語られることの少ない恐怖が存在します。それは、治療によって「男性としての機能」が損なわれてしまうのではないか、という不安です。

長年にわたり、前立腺肥大症の治療は、辛い排尿症状の改善と、満足のいく性生活の維持という、二つの重要な価値観の間で難しい選択を強いるものでした。勃起不全(ED)のリスクや、射精ができなくなる「ドライオーガズム」という副作用は、治療をためらわせる十分な理由となってきました。この記事は、その長年のジレンマに終止符を打つ、医療技術の進歩について解説するものです。
現代の医療は、この問題を正面から解決する新たな治療法を生み出しました。特に、水蒸気を利用した治療法(WAVE治療/Rezum)は、排尿症状を効果的かつ持続的に改善しながら、性機能を高いレベルで温存することに特化して設計されています。もはや、排尿の快適さと性生活の充実のどちらかを諦める必要はありません。本稿では、なぜ従来治療が性機能に影響を与え得たのかという根本的な理由から、最新治療がどのようにしてその課題を克服したのかまで、専門的な知見に基づき、わかりやすく解説していきます。

第1章 ジレンマの解剖学:なぜ前立腺の治療は性機能に影響するのか
前立腺肥大症の治療がなぜ性機能に影響を与える可能性があるのかを理解するためには、まず前立腺とその周辺の解剖学的な位置関係を知ることが不可欠です。この知識は、後に解説する最新治療がいかに画期的であるかを理解する上での土台となります。
前立腺の極めて重要な位置
前立腺は、通常くるみほどの大きさの臓器で、膀胱の真下に位置し、尿道を取り囲むように存在しています 。ドーナツに例えるなら、前立腺がドーナツ本体で、その中心の穴を尿道が通っているイメージです。前立腺肥大症は、この前立腺が非がん性に肥大し、内側を通る尿道を圧迫することで、様々な排尿症状を引き起こす病気です 。

問題は、この前立腺のすぐ隣に、男性機能にとって極めて重要な二つの構造が存在することです。
- 勃起神経(海綿体神経): 勃起を司る非常に繊細な神経の束が、まるで蜘蛛の巣のように前立腺の側面から後面にかけて張り付いています 。これらの神経が脳からの性的興奮の信号を陰茎に伝えることで、勃起が起こります。
- 内尿道括約筋(膀胱頸部): 膀胱の出口にある筋肉で、普段は尿が漏れないように締まっています。そして、射精時にはこの筋肉が固く閉じることで、精液が膀胱へ逆流するのを防ぎ、前方(尿道口)へと射出されるように導きます 。
メカニズム1:勃起不全(ED)
手術による治療では、肥大した前立腺組織を切除したり、加熱したりします。その際、前立腺に近接する勃起神経が、手術器具による物理的な接触、電気メスの熱、あるいは手術中の牽引(引っ張ること)によって損傷を受ける可能性があります 。神経は非常にデリケートなため、わずかなダメージでも信号伝達に支障をきたし、結果として勃起機能の低下、すなわちEDを引き起こすことがあるのです 。近年では神経を温存する手術技術が進歩していますが、それでも炎症や熱の拡散などにより、リスクを完全には排除できないのが現状です 。
メカニズム2:射精障害(特に逆行性射精)
これは、従来の外科的治療において非常に高い頻度で見られる副作用です。正常な射精では、性的興奮がピークに達すると、膀胱の出口にある内尿道括約筋が反射的に固く閉じます。これにより、精液の逃げ道は前方の尿道口のみとなり、勢いよく体外へ射出されます 。
しかし、経尿道的前立腺切除術(TURP)やホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)といった従来の手術では、尿の通り道を広げるために、肥大した前立腺組織を内尿道括約筋ごと削り取ったり、くり抜いたりすることが多くあります 。その結果、膀胱の出口を閉じるための「門」が機能しなくなり、射精時に精液が抵抗の少ない膀胱側へと逆流してしまうのです 。これが「逆行性射精」であり、「ドライオーガズム(射精感はあるが精液が出ない状態)」とも呼ばれます。
この現象は健康上の問題はありませんが、精液が出ないという事実は、多くの男性にとって心理的な喪失感や、パートナーとの関係における違和感につながることがあります 。また、子どもを望む男性にとっては、不妊の直接的な原因となります。このように、性機能への影響は単なる身体的な変化に留まらず、個人の自信や精神的な幸福感、さらにはパートナーシップにも深く関わる問題なのです。治療法を選択する際には、こうした身体的・心理的側面の両方を考慮することが極めて重要となります。
第2章 :従来の前立腺肥大症治療法の客観的評価
これまで、前立腺肥大症の治療は、ある種の「副作用のスペクトラム」の上に成り立ってきました。つまり、排尿症状の改善度と、性機能への副作用のリスクとの間で、どこに着地点を見出すかという選択でした。ここでは、主要な従来治療法を客観的に評価し、それぞれの「妥協点」を明らかにします。
薬物療法:最初の一歩に潜む代償
症状が比較的軽度な場合、まず薬物療法が選択されます。しかし、これらの薬も性機能への影響と無縁ではありません。
- α1遮断薬(タムスロシン、シロドシンなど):
- 作用機序: 前立腺と膀胱頸部の筋肉の緊張を緩めることで、尿道の圧迫を和らげ、尿の通りを良くします 。
- 有効性: 服用後、比較的速やかに効果が現れるのが特徴です 。
- 副作用: 最も代表的な副作用が射精障害です。膀胱頸部を緩める作用が、射精時に精液が膀胱へ逆流しやすくしたり、精管の収縮を抑制して射出される精液量を減少させたりします 。薬剤によっては、その発生頻度が30%に達することもあります 。
- 5α還元酵素阻害薬(フィナステリド、デュタステリドなど):
- 作用機序: 男性ホルモン(テストステロン)が、前立腺を肥大させる作用の強いジヒドロテストステロン(DHT)に変換されるのを阻害し、前立腺自体をゆっくりと縮小させます 。
- 有効性: 特に大きな前立腺に対して有効ですが、効果を実感するまでに数ヶ月を要します 。
- 副作用: ホルモンに直接作用するため、性機能への影響がより深刻になる可能性があります。具体的には、勃起不全(ED)、性欲減退、射精障害などが報告されています 。
外科的「ゴールドスタンダード」:高い効果と高い副作用
薬物療法で効果が不十分な場合や、症状が重度な場合には外科的治療が検討されます。これらは排尿症状の劇的な改善が期待できる一方で、性機能への影響も大きくなります。
- 経尿道的前立腺切除術(TURP):
- 手技: 長年、前立腺肥大症手術の「ゴールドスタンダード(標準治療)」とされてきた方法です。尿道から内視鏡を挿入し、先端の電気メスで肥大した組織を削り取ります 。
- 有効性: 排尿障害を改善する効果は非常に高いです。
- 副作用: 最大の問題は、逆行性射精の発生率が極めて高いことです。報告によれば、**50~80%**の患者で発生するとされています 。また、勃起神経損傷によるEDのリスクも2~10%程度存在し、出血などの合併症も伴います 。
- ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP):
- 手技: TURPに代わる新しい標準治療として普及している方法です。ホルミウムレーザーを用いて肥大した腺腫を核(中身)ごとくり抜き、体内で細切して吸引・除去します 。大きな前立腺にも対応可能で、TURPより出血が少ないという利点があります 。
- 有効性: 排尿症状の改善効果はTURPと同等かそれ以上とされています 。
- 副作用: 腺腫を内尿道括約筋ごと徹底的にくり抜くため、逆行性射精の発生率は**ほぼ100%**に達します 。EDのリスクは低いとされていますが、射精機能に関しては、ほぼ確実に失われるという大きな代償を伴います。
これらの従来治療法をまとめたのが、以下の比較表です。それぞれの治療法が、排尿症状の改善という利益のために、性機能においてどのような代償を払う可能性があるかを示しています。
| 治療法 | 排尿症状の改善効果 | 効果発現の速さ | EDのリスク | 射精障害(主に逆行性射精)のリスク |
| α1遮断薬 | 中等度 | 速い(数日) | 低い | 中~高(薬剤により最大30%) |
| 5α還元酵素阻害薬 | 中等度~高い | 遅い(数ヶ月) | あり | あり |
| TURP | 高い | 速い(術後) | 2~10% | 非常に高い(50~80%) |
| HoLEP | 非常に高い | 速い(術後) | 低い | ほぼ必発(~100%) |
この表が示すように、従来治療の選択は、常に何らかの妥協を伴うものでした。しかし、次章で紹介する技術革新は、この「副作用のスペクトラム」そのものを過去のものにしようとしています。
第3章 技術革新:水蒸気治療(WAVE/Rezum)はいかにして常識を変えたか
前述した「排尿改善か、性機能維持か」という長年のジレンマを解決するために、全く新しい発想で開発されたのが、水蒸気を利用した低侵襲治療、通称「WAVE治療(Rezum)」です。これは単なる既存治療の改良版ではなく、性機能の温存を最優先事項の一つとして設計された、パラダイムシフトとも言える治療法です 。

精密さを極めたメカニズム
WAVE治療の核心は、滅菌された水蒸気(スチーム)が持つ熱エネルギーを、極めて正確に標的組織へ届ける技術にあります 。
そのプロセスは以下の通りです。
- デバイスの挿入: 尿道から内視鏡と一体化した細い治療用デバイスを挿入します。
- 水蒸気の噴霧: デバイスの先端から微細な針を出し、閉塞の原因となっている前立腺の肥大組織(腺腫)に直接穿刺します。そして、1回わずか9秒間、$103℃の水蒸気を噴霧します 。
- 熱エネルギーの解放: 噴霧された水蒸気は、腺腫の細胞間の隙間を素早く、そして均一に拡散します(対流熱伝達)。そして水蒸気が水に戻る(凝縮する)際に、蓄えられていた熱エネルギーが一気に放出され、周辺の組織温度を細胞が壊死する約$70℃$まで穏やかに上昇させます 。

「温存」を可能にする物理的原則
ここがWAVE治療の最も画期的な点です。なぜこの方法だと性機能が温存できるのか、その理由は物理的な原則に基づいています。
水蒸気による熱の拡散は、前立腺を覆う「前立腺被膜」という天然のコラーゲン線維の壁によって、その内側に封じ込められます 。つまり、熱エネルギーは肥大した腺腫の内部に限定して作用し、被膜の外側にある勃起神経や、射精に重要な内尿道括約筋(膀胱頸部)といった繊細な組織にはほとんど影響を与えないのです 。
従来の手術が、いわば「彫刻刀で削り取る」アプローチであり、意図せず周辺組織を傷つけてしまうリスクがあったのに対し、WAVE治療は「標的の内部から穏やかに変化させる」アプローチです。この精密なターゲティングこそが、WAVE治療が「性機能温存」を高いレベルで実現できる科学的根拠となっています。

自然な治癒プロセス
水蒸気によって壊死した組織は、手術で物理的に取り除かれるわけではありません。治療後は、身体に本来備わっている自然な治癒プロセスによって、数週間から数ヶ月かけてゆっくりと体内に吸収・排出されていきます 。このプロセスが進むにつれて前立腺は縮小し、圧迫されていた尿道が解放され、排尿症状が改善していくのです。この穏やかな変化も、身体への負担が少ない低侵襲治療たる所以です。
第4章 データの証明:WAVE治療の有効性と安全性に関する臨床的エビデンス
新しい治療法を評価する上で最も重要なのは、その有効性と安全性を裏付ける客観的な臨床データです。WAVE治療(Rezum)は、長期にわたる厳格な臨床試験によって、その優れた特性が証明されています。ここでは、患者様が最も知りたいであろう「効果の持続性」と「性機能への影響」に関するデータをご紹介します。
長期的な効果の持続性と症状改善
治療効果が一時的なものであっては意味がありません。WAVE治療の大きな特徴は、その効果が長期間持続することです。
- 5年間の追跡調査データ: 複数の医療機関で実施された大規模な臨床試験において、WAVE治療を受けた患者の5年後の経過が報告されています。その結果、排尿症状の重症度を示す国際前立腺症状スコア(IPSS)や生活の質(QOL)スコアは、治療後5年が経過した時点でも有意な改善を維持していました 。具体的には、IPSSスコアは約48%、QOLスコアは約45%改善した状態が維持されています 。
- 低い再治療率: さらに特筆すべきは、5年間で何らかの追加の外科的治療が必要となった患者の割合が、わずか**4.4%**であったことです 。これは、WAVE治療がその場しのぎの治療ではなく、長期的に安定した効果をもたらす、信頼性の高い治療法であることを示しています。この再治療率は、他の低侵襲治療法と比較しても遜色のない、あるいはより優れた数値です 。
最大の注目点:前例のないレベルでの性機能温存
本稿の核心である性機能への影響について、WAVE治療の臨床データは画期的な結果を示しています。
- 勃起機能(ED): 最も重要な知見として、主要な臨床試験を通じて、WAVE治療が原因で新たに勃起不全(de novo ED)を発症したという報告はありませんでした 。これは、治療メカニズムの項で述べた通り、勃起神経を温存する設計が実際に機能していることの強力な証拠です。
- 射精機能: TURPやHoLEPでほぼ必発となる逆行性射精のリスクも、WAVE治療では劇的に低減されます。臨床試験における逆行性射精の発生率は、わずか**約3~4%**に留まっています 。これは、射精機能を司る膀胱頸部を温存できるという、WAVE治療の精密さの賜物です。
日本における新しい標準治療へ
これらの優れた臨床データに基づき、WAVE治療(Rezum)は世界中で広く採用され、日本でも2022年9月から公的医療保険の適用対象となりました 。これは、本治療が国に認められた、安全性と有効性が確立された標準的な治療法であることを意味します。
保険適用により、患者様の経済的負担も大幅に軽減されました。3割負担の場合、自己負担額は約16万円程度が目安となります 。さらに、日本の医療制度における費用対効果分析でも、低い再治療率などから、他の治療法と比較して長期的には医療費を抑制できる効率的な治療であるとの評価もなされています 。
もはやWAVE治療は、一部の特別な患者様だけのものではありません。性機能の温存を強く希望する、すべての前立腺肥大症に悩む日本人男性にとって、身近で現実的な選択肢となったのです。
| 外科的治療法 | 新規EDの発症リスク | 逆行性射精のリスク |
| TURP | 2~10% | 50~80% |
| HoLEP | 低い | 約100% |
| WAVE治療 (Rezum) | 主要試験で報告なし | 約3~4% |
この比較表は、性機能温存という観点において、WAVE治療が従来の手術とは一線を画す存在であることを明確に示しています。
第5章 くぼたクリニック松戸五香でのWAVE治療:初診から回復までの全ステップガイド
WAVE治療が優れた治療法であることをご理解いただいた上で、次に患者様が抱くのは「自分は治療を受けられるのか?」「具体的にどのような流れで進むのか?」といった疑問でしょう。この章では、当クリニックにおけるWAVE治療のプロセスを、初診から回復まで段階を追って具体的にご説明し、患者様の不安を解消します。
ステップ1:あなたはWAVE治療の適応か? 初診での評価
すべての患者様がWAVE治療の適応となるわけではありません。治療の成功には、適切な診断と適応判断が不可欠です。
- WAVE治療の主な対象者:
- 50歳以上で、中等症から重症の前立腺肥大症の症状にお悩みの方 。
- 薬物療法の効果が不十分、あるいは副作用で継続が困難な方 。
- 外科的治療を希望するが、身体への負担や性機能への影響を最小限に抑えたい方 。
- 特に、性機能(勃起・射精)の温存を強く希望される方 。
- 前立腺の大きさが、一般的に30gから80gの範囲内の方 。
- 初診時の精密検査: 当クリニックでは、客観的なデータに基づき、WAVE治療の適応を慎重に判断します。
- 国際前立腺症状スコア(IPSS): 質問票を用いて、症状の重症度を数値化します 。
- 尿流量測定(ウロフロメトリー): 実際に排尿していただき、尿の勢いや量を測定し、閉塞の程度を客観的に評価します 。
- 残尿測定: 排尿後に、超音波(エコー)を用いて膀胱内にどれくらい尿が残っているかを測定します 。
- 経直腸的超音波検査: 前立腺の正確な大きさや形(中葉肥大の有無など)を測定し、WAVE治療の計画を立てます 。
- PSA血液検査: 前立腺がんなど、他の疾患の可能性をスクリーニングします 。
ステップ2:治療当日:身体に優しい低侵襲な治療体験
検査の結果、WAVE治療の適応と判断されれば、治療日を決定します。治療当日は、患者様の負担を最小限に抑えるための配慮がなされます。
- 事前の準備: 血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を服用されている場合は、事前に休薬の必要性について指示があります。また、感染予防のために抗生物質が処方されることがあります 。
- 麻酔について: WAVE治療の大きな利点の一つは、全身麻酔や下半身麻酔が不要であることです。通常、鎮静剤の点滴や局所麻酔を組み合わせて行うため、うとうととリラックスした状態で、痛みを感じることなく治療を受けられます 。
- 治療時間: 治療室に入ってから、実際の水蒸気噴霧にかかる時間は非常に短く、通常10~15分程度で終了します 。
ステップ3:回復と効果の発現:知っておくべきこと
治療後の経過と回復のタイムラインを正しく理解しておくことは、安心して過ごすために重要です。
- 尿道カテーテルの留置: 治療直後は、前立腺が一時的に腫れるため、尿道を確保するために尿道カテーテルを留置します 。これは正常な反応であり、カテーテルの留置期間は通常3日から7日程度です 。
- 日常生活への復帰: カテーテル抜去後は、ほとんどの方が数日以内にデスクワークなどの通常の生活に戻ることが可能です 。ただし、重い物を持つ、激しい運動、自転車に乗るといった腹圧のかかる活動は、1~2週間程度避けることが推奨されます 。性交渉は、血尿などがなくなった後、通常2週間後くらいから再開可能です 。
- 効果を実感するまでの期間: 治療効果はすぐには現れません。カテーテル抜去直後は、前立腺の腫れにより一時的に症状が悪化したように感じることがありますが、これは回復過程の一部です 。症状の改善は、多くの場合、治療後2週間ほどで感じ始め、身体が壊死した組織を吸収するにつれて徐々に進み、約3ヶ月後に最大の効果が得られます 。
当クリニックでは、患者様一人ひとりの状態に合わせて、最適な治療計画と丁寧なフォローアップを提供し、安心して治療に臨めるよう全力でサポートいたします。
結論:男性の健康にとっての新しい時代の幕開け
前立腺肥大症の治療の歴史は、排尿機能の回復と性機能の維持という、二つの重要なQOL要素の間での妥協の歴史でした。しかし、WAVE治療(Rezum)の登場により、その常識は覆されました。
本稿で詳述してきたように、WAVE治療は、精密な水蒸気エネルギーを利用することで、閉塞の原因となる前立腺組織のみを選択的に治療し、勃起や射精に関わる重要な周辺組織を温存することを可能にしました。5年間の長期的な臨床データは、その高い有効性と持続性、そして何よりも、従来の手術とは比較にならないほど優れた性機能温存性能を明確に証明しています。
もはや、「排尿の悩みから解放されるためには、性生活の質を犠牲にしなければならない」という考えは過去のものです。効果的で持続的な症状改善と、満足のいく性機能の維持は、両立可能な目標となりました。これは、前立腺肥大症に悩むすべての男性にとって、まさに新しい時代の幕開けと言えるでしょう。
もしあなたが、前立腺肥大症の症状に悩みながらも、副作用への不安から治療をためらっているのであれば、どうか一人で抱え込まないでください。現代医療が提供する、身体に優しく、QOLを総合的に向上させるための選択肢が存在します。
くぼたクリニック松戸五香では、患者様一人ひとりの症状、ライフスタイル、そして価値観に寄り添った最適な治療法をご提案いたします。この画期的な性機能温存治療であるWAVE治療が、あなたの生活の質を取り戻すための適切な選択肢であるかどうか、ぜひ一度、専門医にご相談ください。あなたの未来を、共に考え、切り拓いていくお手伝いをさせていただきます。


