女性泌尿器科
- おしっこが近い、回数が多い(頻尿)
- 腰や背中が痛む 腎臓のあたりが痛む
- 夜間、何度もおしっこに起きる(夜間頻尿)
- 尿道から膿が出た (健診などで)
- 尿が残っている感じがする(残尿感)
- 血尿やたんぱく尿を指摘された
- おしっこに血が混じる(血尿)
- 尿路(腎臓、尿管、膀胱)に結石がある
- 膣から丸いものが出てくる(骨盤臓器脱)
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なぜ女性の泌尿器科が注目されているのか?
泌尿器科というと性病や前立腺肥大など、男性のための科だと思われていることがあります。しかし、前述した通り、女性も膀胱炎や過活動膀胱、腹圧性尿失禁など様々な病気があり、膀胱がんや腎臓がん、尿管がん、尿管結石といった病気も女性に起こり得ます。女性にとっても泌尿器科は非常に重要です。しかしながら、泌尿器科の医師のほとんどが男性であり、女性が男性医師に泌尿器の相談するのが恥ずかしいと感じることもあるでしょう。
泌尿器科の女性医師を探しても、なかなか見つけることが難しい状況です。このように、泌尿器科は受診できずに困っている女性が多いという問題が注目されています。もう一つ注目される要因は、女性の腹圧性尿失禁手術の発達です。
メッシュを用いたこの手術は、合併症も少なく、治療成績が良いことが明らかになっています。そのため、多くの女性が悩んでいる腹圧性尿失禁が手術で改善されることが注目されています。
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1女性が泌尿器科領域でかかる病気について
1.膀胱炎 膀胱炎は、排尿時痛や頻尿、残尿感などの症状があり、尿道を通じて外から細菌が入り、細菌が繁殖し膀胱で炎症が起こることで発症します。出血することもあります。治療法は基本的に抗生剤の投与です。男性は尿道が長いので尿として洗い流されることが多いですが、女性は尿道が2~3cmと短く、外から簡単に細菌が入りやすいです。膀胱炎は女性特有の疾患と言えます。膀胱炎は一度かかると繰り返してしまうこともあります。膀胱炎の症状を疑った場合は泌尿器科を受診し、しっかりと根治させましょう。
2.過活動膀胱 過活動膀胱の発症メカニズムは、女性ホルモンの影響や骨盤底筋の緩みが原因とされていますが、明確なことはまだ不明です。基本的に、過活動膀胱は膀胱炎や膀胱がん、尿管結石などがない状態で起こる病気です。これらの病気を除外した上で過活動膀胱と診断されます。少しの尿が溜まっただけで尿意が切迫し、我慢できそうにない尿意切迫感や、尿の回数が多くなるなどの症状があります。過活動膀胱で悩む女性は非常に多いですが、恥ずかしいという理由でなかなか泌尿器科に受診されないことがあります。お気軽に受診していただくことをお勧めします。
3.腹圧性尿失禁 出産後の女性に多い症状で、くしゃみをしたりお腹に力を入れたりすることで、尿が漏れてしまうことがあります。腹圧性尿失禁は、薬物治療や体操、または手術で改善されます。腹圧性尿失禁は若い女性でも起こり得ます。恥ずかしいと思わずに、お気軽に受診してください。
4.骨盤臓器脱 骨盤の筋肉の緩みによって、膣を通して膀胱や直腸、子宮などが突出する状態です。骨盤臓器脱は出産後の女性に多く、腹圧性尿失禁を合併することが多いです。基本的には手術療法が適応となります。当院では手術を行っていないため、手術を行っている病院をご紹介させていただきます。
2女性の泌尿器科領域の検査
1.採血検査 採血検査では、体中に炎症が起きていないかを調べます。ごく稀に、大きな病気が隠れている場合があるため採血検査で確認しますが、一般的には尿もれ、尿失禁のあるからといって採血で異常は見られません。
2.尿検査 尿検査は、尿の中の赤血球、白血球、細菌、がん細胞の有無を調べます。尿失禁の原因が感染やがん(悪性腫瘍)などによる場合もあるので、確認します。
3.超音波(エコー)検査 超音波(エコー)検査は、尿路に異常がないか、結石や腫瘍がないかを調べます。結石や腫瘍が尿失禁の原因になっていることもあります。超音波(エコー)検査はゼリーを体に塗布して器械を当てて診る検査で、痛みを伴わず、被曝もない体に優しい検査です。
4.尿流量動態検査 尿流動検査は、おしっこの勢いを測ることで尿路に閉塞がないか、膀胱機能に問題はないかを調べます。
3女性泌尿器科領域の薬物治療
過活動膀胱に対する薬物治療
薬物治療はベータ3作動薬、抗コリン薬を使用します。最初にベータ3作動薬を使うことが多いです。それでも治らない場合は抗コリン薬を使用します。更に、それでも治らない時はボツリヌス菌を膀胱内に直接注入することもあります。ボツリヌス菌の治療は2020年に始まった新しい治療法ですが、とても良く効きます。東京泌尿器科クリニック上野でも行っております。詳しくは担当医師にご相談ください。
腹圧性尿失禁に対する薬物治療
腹圧性尿失禁に対する薬物治療では、まずベータ2作動薬を使用します。これらの薬は、骨盤底筋を強化し、尿失禁の症状を軽減する効果があります。同時に体操や骨盤底筋トレーニングを行っていただくことで、より治療効果が上がります。br> 体操と薬物療法でも改善が難しい場合は、手術治療を検討することがあります。手術治療には、緊急性尿失禁や腹圧性尿失禁に対する様々な手術があります。例えば、尿道の位置を調整して尿失禁を改善する手術や、膀胱の位置をサポートするためのメッシュを使用した手術などがあります。br> 治療方法は患者さんの状況や症状によって異なりますので、専門医とよく相談し、最適な治療法を選択することが重要です。
排出障害(低活動膀胱)に対する薬物治療
ジスチグミンまたはウラピジルを使用します。効果を見て、併用することもあります。排出障害に関しては現時点で手術などは存在しません。薬を使用しても排尿後に残尿が多い場合は、感染予防や腎機能保護のために尿道カテーテルを留置することもあります。
間質性膀胱炎に対する薬物治療
従来は抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、三環系抗うつ薬などを使用していました。新薬であるジメチルスルオキシド(DMSO)が登場しました。DMSOを膀胱内に注入することで、間質性膀胱炎が改善するとされています。DMSOは2021年から保険適用となりました。
女性泌尿器領域での漢方薬の使い方
疾患別の漢方薬の使用例としては、膀胱炎に猪苓湯、腹圧性尿失禁・骨盤臓器脱に捕中益気湯、間質性膀胱炎に当帰芍薬散があります。これらの漢方薬を使用することで改善が見られることがあります。ただし、漢方薬は泌尿器科医師によっては処方されない場合もあるため、医師と相談の上で使用してください。
4腹圧性尿失禁に対する治療
1.メッシュを用いた外科的治療 最近では、メッシュを用いた外科的治療が有効であり、内服薬や体操でも効果がない場合に行われます。合併症が少なく治療成績も良好です。くぼたクリニック松戸五香では行っていませんが、治療を行っている病院を紹介できます。
2.再生医療による括約筋再生 脂肪幹細胞を尿道に入れる治療で、男性の前立腺がん術後の尿失禁に対して行われていましたが、効果が非常に良好であるため、最近では女性にも治療が行われるようになりました。腹圧性尿失禁に対してこの脂肪幹細胞を用いた治療は非常に効果があることが分かっています。
5女性泌尿器科における予防策 女性の泌尿器科疾患の予防策
女性の泌尿器科における予防策 女性の泌尿器科疾患の予防策として、以下のことを心掛けることが重要です。
1.適切な排尿習慣を身につける
一度に大量の水分を摂取するのではなく、こまめに水分を摂取し、適切なタイミングで排尿を行うことが大切です。2.清潔なトイレ習慣を維持する
トイレットペーパーを使用した後、適切に手を洗うことで、感染のリスクを軽減できます。3.骨盤底筋トレーニングを行う
骨盤底筋を強化することで、尿失禁や腹圧性尿失禁のリスクを低減できます。4.健康的な体重を維持する
過体重や肥満は、骨盤底筋に負担をかけることがあります。適切な体重を維持することで、泌尿器科疾患のリスクを軽減できます。5.定期的な健康診断を受ける
定期的な健康診断を受けることで、泌尿器科疾患の初期段階を見逃さず、早期に対処することができます。
6診療費用
当院はすべて保険診療です。 初診の診療費用は、薬代を除いておおよそ以下の通りです(3割負担の場合)。
尿検査のみ: 2,000円前後
エコー検査のみ: 2,500円前後
採血+尿検査: 3,500円前後
採血+尿検査+エコー検査: 5,000円前後
くぼたクリニック松戸五香では、現在女性泌尿器科の医師はいませんが、今後の採用を検討しています。また、当院では再生医療や手術は行っていませんが、これらの治療に関するご相談はいつでも可能です。詳しくは担当医師までお問い合わせください。
くぼたクリニック松戸五香ではプライバシーに配慮しています。
泌尿器科の病気や症状でお悩みの方はお気軽に受診してください。
7女性が泌尿器科を受診する際の注意点
女性が泌尿器科を受診する際には、以下の点に注意してください。
1.医師とのコミュニケーション
症状や不安を医師に伝えることが重要です。医師との良好なコミュニケーションが、適切な診断や治療につながります。2.受診時の服装
検査や診察の際に、簡単に脱ぎ着できる服装を選ぶと便利です。3.女性専用の泌尿器科クリニックを探す
女性に対応している泌尿器科クリニックが増えています。女性専用のクリニックを選ぶことで、より快適に受診できます。最後に、女性の泌尿器科疾患は、早期発見・早期治療が重要です。症状がある場合は、遠慮せずに泌尿器科を受診しましょう。また、定期的な健康診断や予防策を実践することで、泌尿器科疾患のリスクを軽減できます。健康的な生活習慣を心掛け、泌尿器科疾患から身を守りましょう。
女性泌尿器科のいくつかの病気の症状と治療について
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1尿失禁(尿もれ)
尿失禁(尿もれ)について
尿漏れや尿失禁に悩んでいる方は非常に多く、この症状について他人に打ち明けることが難しく、家族にも言いにくい状況です。尿漏れ・尿失禁に関して、どの科に相談すべきか、どのような治療が行われるのか、そして治るのかといった不安を抱えている方も多いでしょう。
尿漏れ・尿失禁は一口に言っても、実際には様々な種類があり、それぞれに対する治療法も異なります。このページを尿漏れ・尿失禁に悩む方々がご覧いただき、少しでも不安が解消されることを願っています。
尿失禁(尿もれ)の種類とは?
尿失禁にはいくつかの種類があり、それぞれ原因や症状が異なります。主な尿失禁の種類には以下のものがあります。
1.腹圧性尿失禁(SUI)
咳やくしゃみ、笑い、運動などの際に腹圧が上昇し、尿道を閉じる筋肉が十分に働かずに尿が漏れる状態です。骨盤底筋の弱さが主な原因となります。2.切迫性尿失禁(UUI)
突然の強い尿意により、トイレに間に合わないまま尿が漏れてしまう状態です。膀胱の筋肉が過敏に反応し、尿を保持することが困難になることが原因です。3.溢流性尿失禁
膀胱が過剰に溜まった尿が、尿道の圧力を超えて漏れてしまう状態です。尿道の閉鎖不全や膀胱の筋肉が弱くなることが原因となります。4.混合性尿失禁
ストレス性尿失禁と切迫性尿失禁の両方の症状が同時に現れる状態です。5.機能性尿失禁
身体的な問題や認知症などが原因で、トイレに行くタイミングがうまくつかめず、尿が漏れてしまう状態です。尿失禁の原因や症状によって、適切な治療法が異なります。そのため、医師に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です。尿失禁、尿もれの検査とは?
■視診・触診
患者さんの同意のもと、子宮や膀胱など、骨盤臓器脱がないかどうかを確認します。患者さんが希望しない場合や、若い患者さんで必要性が低い場合は、この診察は行いません。■尿検査
尿中の赤血球・白血球、細菌、癌細胞の有無を調べます。感染症やがんなどが原因で尿失禁が起こることもあるため、尿検査で確認します。■超音波検査
尿路に異常がないかを検査します。結石や腫瘍があると尿失禁が起こることもあるため、超音波検査を行います。痛みや被曝のリスクがないため、体に優しい検査です。■採血検査
体内の炎症、前立腺がん、腎機能の低下などを検査します。一般的に尿漏れ・尿失禁の患者さんで異常が見られることは少ないですが、稀に大きな病気が隠れている場合があるため、採血検査でその可能性を調べます。■尿流動態検査
尿の勢いを測定し、前立腺肥大の程度や尿路の閉塞、膀胱機能に問題がないかを検査します。この検査も当院で行っています。■残尿測定検査
排尿後に膀胱内にどれだけ尿が残っているかを検査します。超音波で測定するため、体への負担がない検査です。■膀胱鏡検査
尿道から直接膀胱内にカメラを挿入し、尿路に異常がないか、結石や腫瘍がないかを確認します。
当院では軟性膀胱鏡を使用しているため、体への負担が少ない検査です。尿失禁で受診するすべての方に必要な検査ではありませんが、結石や悪性腫瘍が疑われる場合には、膀胱鏡検査を行います。この検査により、尿失禁の原因を特定し、適切な治療方法を決定することが可能となります。尿失禁、尿もれの治療とは?
尿もれ、尿失禁の治療は尿もれの種類によって異なります。それぞれ説明していきます。■腹圧性尿失禁(SUI)とは?
腹圧性尿失禁(またはストレス性尿失禁、SUI)は、腹圧が上昇した際に尿が漏れてしまう状態です。腹圧が上昇する瞬間とは、くしゃみ、咳、笑い、運動、重いものを持ち上げるなどの時です。■腹圧性尿失禁の原因とは?
出産、加齢、肥満、前立腺癌の手術などが尿失禁の原因となることがあります。女性の場合、出産や加齢によって尿道括約筋が弱くなることが主な原因とされています。
骨盤内の筋肉の一つである尿道括約筋が弱まると、通常は括約筋の力で尿の排出を抑えることができますが、腹圧が強くなり膀胱が圧迫されると、尿が漏れてしまいます。
男性の場合、前立腺癌の手術で尿道括約筋が切除されたり損傷されたりすることで、尿道括約筋が機能しなくなり、尿失禁が発生します。
近年では、ロボット手術や腹腔鏡手術が増えており、従来の開腹手術に比べて身体へのダメージが少なく、手術後の尿失禁のリスクも減少しています。
■腹圧性尿失禁の治療とは?
まず、保存的治療として骨盤底筋体操を行い、尿道括約筋を鍛えます。尿道括約筋を強化することで、尿の漏れを防ぐことができます。
もちろん、それだけでは効果が十分でない場合もあります。そのような場合は、β2刺激薬を内服したり、干渉低周波(ウロマスター)という電気治療を週2回、計6回行うこともあります。当院ではこれらの治療が可能です。また、エムセラという新しい尿漏れ治療器もご相談いただけます(ただし、自費診療となります)。それでも効果がない場合は、外科的手術を検討することもあります。
最近では、尿失禁の手術を行う病院が増えており、泌尿器科や婦人科の両方の病院で手術が行われています。ただし、当院では腹圧性尿失禁の手術は実施しておりません。手術が必要な場合は、適切な医療機関にご紹介させていただきます。
切迫性尿失禁(UUI)
■切迫性尿失禁(UUI)とは?
切迫性尿失禁は、尿を我慢できずにトイレに間に合わないまま尿が漏れてしまう状態を指します。この状態は尿意切迫感とも呼ばれ、ほとんどの場合で頻尿が伴います。頻尿があると、尿意切迫感や尿漏れが現れます。■切迫性尿失禁(UUI)の原因は?
男性の場合、切迫性尿失禁の原因は主に前立腺肥大症です。一方、女性では過活動膀胱、膀胱瘤、子宮脱などの骨盤臓器脱が原因となります。
脳血管障害により神経のコントロールができなくなることで尿失禁が生じることもあります。切迫性尿失禁は、括約筋の問題ではなく、膀胱の収縮力が尿道括約筋の力を上回るために漏れてしまう状態です。
■切迫性尿失禁(UUI)の治療は?
男性の場合、前立腺肥大症に対応する治療が行われます。α1ブロッカーとPDE5といった薬が使用されます。
女性の場合、過活動膀胱が原因であれば、過活動膀胱に対応した治療が行われます。抗コリン薬やβ3作動薬などの薬が使用されます。現在はβ3作動薬がメインで使用されます。骨盤臓器脱や膀胱瘤が原因の場合は、それらの原因となるものの治療によって改善されます。腹圧性尿失禁と同様に、骨盤を締める骨盤底筋体操も効果的です。
混合性尿失禁
■混合性尿失禁とは?
混合性尿失禁は、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の両方が合わさった状態です。患者さんに尿漏れの状況を尋ねると、「お腹に力が入った時に漏れるし、トイレに間に合わずに漏らしてしまうこともある」と答える方が多く、このような症状を持つ方が混合性尿失禁とされます。特に、50代・60代の女性に多いと言われています。■混合性尿失禁の治療とは?
混合性尿失禁の治療は、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の治療方法に従って行われます。溢流性尿失禁
■溢流性尿失禁とは
溢流性尿失禁は、尿が出にくくなる状態で、膀胱に尿がたまりすぎて圧力で漏れ出てしまう現象です。前立腺肥大症や前立腺癌で尿道が完全に閉じてしまい、尿が出なくなる尿閉の状態が原因です。このため、膀胱内に尿が溜まりすぎて、溢れ出すことによる尿失禁が起こります。
尿が出ないことで腎臓の機能が低下し、急性腎不全になることもあります。膀胱が張っているのはお腹の上からでも確認でき、お腹がパンパンに張っています。
■溢流性尿失禁の原因とは?
溢流性尿失禁の原因は、前立腺肥大症や前立腺癌による尿閉です。女性ではほとんど見られません。■溢流性尿失禁の治療
溢流性尿失禁の治療では、前立腺肥大や前立腺癌などの根本的な治療が最も重要です。しかし、まずは尿道にカテーテルを挿入して、尿を膀胱から外に出すことが大切です。
全身状態が安定した後、前立腺肥大や前立腺癌の治療を行います。このような状態になると、薬で治すことは難しく、手術を行ったり、カテーテルを常時挿入している状態になることがほとんどです。
診察費用
当院ではすべて保険診療を行っています。初診の診療費用は薬代を除いて、おおよそ以下のようになります(3割負担です)。・尿検査のみ:約2,000円
・エコー検査のみ:約2,500円
・採血+尿検査:約3,500円
・採血+尿検査+エコー検査:約5,000円
・膀胱鏡検査:約4,000円
当院は泌尿器科専門の保険診療クリニックで、プライバシー管理と感染予防対策を徹底しています。
老若男女が気軽に受診できる環境を整えております。
泌尿器科の疾患でお悩みの方は、ぜひお気軽にくぼたクリニック松戸五香までご受診ください。
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2頻尿
頻尿とは?
頻尿は日中の頻尿と夜間頻尿に分けられます
■日中の頻尿とは?
頻尿とは、1日に8回以上トイレに行く状態を指します。つまり、おおよそ2時間ごとに1回以上トイレに行くペースであると、頻尿と定義されています。頻尿の状態では、仕事への集中が難しくなったり、バスなどの公共交通機関を利用してもすぐに下車しなければならないなど、大変なストレスが生じることがあります。
■夜間頻尿とは?
夜間頻尿は、50歳以上の男女の半数以上が悩んでいると言われています。寝ている間に1回以上トイレに起きることを夜間頻尿と言います。定義上は、1回起きるだけでも夜間頻尿とされますが、病的と判断されるのは2回以上とされています。1回くらいトイレに起きる人は少なくありませんが、2回以上になると、検査や治療が必要な夜間頻尿となります。
夜間頻尿で起きた後、すぐに眠れる場合は問題ありませんが、眠れない人も多くいます。また、一晩に5、6回起きる人も珍しくなく、中には8回以上起きる人もいます。このような場合、睡眠の質が低下し、高齢者には転倒のリスクが増え、非常に危険です。高齢者の転倒は、その後の寿命に影響を与えることがあるため、リスクをできるだけ減らすことが重要です。
頻尿の原因について
■神経性頻尿
神経性頻尿は、30歳以下の若い人に多く見られます。尿検査、超音波検査、採血をしても異常が見つからない場合でも、職場や学校でのストレスが主な原因で頻尿になることがあります。これを神経性頻尿と呼びます。具体的な原因は見つからないものの、ストレスが膀胱の尿を貯める力を低下させることが考えられます。診断のために、排尿日誌を使って1回の膀胱容量を測定します。■過活動膀胱
過活動膀胱とは、尿を我慢できなくなり、頻尿になる状態を指します。男性と女性の両方に見られますが、男性の場合はほとんど前立腺肥大症を伴います。女性は30歳以上で、高齢になるほど過活動膀胱の割合が増えます。2021年現在、800万人以上の過活動膀胱患者がいるとされており、テレビなどで宣伝されている泌尿器科の病気の一つです。
過活動膀胱は、特に膀胱の中に異常があるわけではなく、採血や尿検査で異常が見られるわけではありません。一般的に高齢になると過活動膀胱の患者数は増えます。これは、高齢により膀胱の筋肉が疲れ、神経が過敏になって少量の尿が溜まるだけで反応し、排尿したいと感じるようになるためです。つまり、過活動膀胱は、膀胱に尿を溜めることができなくなる蓄尿障害という状態です。
■前立腺肥大症
前立腺が肥大すると、尿の出が悪くなり、膀胱の筋肉が過労になります。その結果、膀胱の神経が過敏になり、頻尿が引き起こされます。この状態は、主に50歳以上の男性に多く見られます。前立腺肥大症によって頻尿が起こる場合も、膀胱に尿が少量しか貯められない状態であり、過活動膀胱と同様に蓄尿障害として分類されます。■尿管結石症
尿管結石が原因で頻尿が起こることがあります。結石が尿管の下部に位置すると、膀胱に刺激を与えて頻尿が発生します。
尿管結石による頻尿の場合、片側の腰痛や残尿感などの症状が伴うことが一般的です。このタイプの頻尿の特徴は、急に症状が現れることです。前立腺肥大症や過活動膀胱では、年齢とともに徐々に頻尿の症状が出現しますが、尿管結石の場合、結石が下部の尿管に詰まった瞬間から症状が出るため、急に頻尿になったと感じることがあります。
■膀胱炎
若い女性に多い膀胱炎は、膀胱に炎症が起こることで頻尿が発生します。排尿時の痛みや残尿感が伴い、時には血尿も見られることがあります。膀胱炎による頻尿は、急に症状が現れることが特徴です。■膀胱がん
膀胱がんの場合、悪性の腫瘍が膀胱内に発生し、その腫瘍が膀胱に刺激を与えて頻尿が引き起こされます。膀胱がんの主な症状は、無症候性の肉眼的血尿とされており、これは「症状がないのに目で見て分かる血尿が出る状態」を意味します。■大量の飲水
大量の水分摂取が行われると、当然尿も多く生成されます。この場合、膀胱に貯められる尿量は正常であるものの、尿の回数が増えてしまいます。 原因としては、中枢性尿崩症や神経性の多飲が考えられます。夜間頻尿の原因ついて
■前立腺肥大症
先述した通り、昼間の頻尿と同じ原因が夜間頻尿にも関係します。前立腺肥大症による頻尿は、膀胱に尿を貯められなくなる蓄尿障害です。また、前立腺がんが進行した場合も、同様の症状が現れることがあります。■夜間の過活動膀胱
こちらも昼間の過活動膀胱で述べた通りの内容です。年齢とともに膀胱に尿が溜められなくなります。■夜間多尿
夜間頻尿の約8割は夜間多尿が原因とされています。40歳までの若い人は、基本的に昼間に尿が多く作られ、夜間の尿量が少ないのが通常です。しかし、年齢が上がると、高血圧や糖尿病、心臓や腎臓の病気が影響して、昼間の尿量が減り、夜間の尿量が増える傾向に変わります。夜間の尿量が1日の尿量の総量の3割を超える場合、夜間多尿と呼びます。
泌尿器科を頻尿で受診する方のほとんどは、夜間多尿による夜間頻尿です。夜間多尿を調べる検査として、排尿日誌が非常に有効です。最近では、排尿日誌を実施しない泌尿器科も増えていますが、頻尿の鑑別診断には排尿日誌が必要不可欠だと考えられます。
頻尿・夜間頻尿の検査
■尿検査
尿検査は泌尿器科において必須の検査です。尿の通り道にがん細胞や細菌が存在しないかを調べます。さらに、赤血球や白血球が存在していないかも調査します。基本的に、尿は無菌であり、白血球や赤血球は含まれません。したがって、菌や白血球、赤血球が検出された場合、何らかの病気がある可能性があり、詳細な調査が必要となります。■超音波検査(エコー検査)
前立腺肥大症、膀胱内の腫瘍、および尿管結石の有無を調べるために、超音波検査が行われます。この検査では、身体にゼリーを塗布し、器具を当てることで実施されます。痛みがなく、放射線被曝もないため、体に負担がかからない安全な検査方法です。■採血検査
体内の炎症や貧血の有無を調べるとともに、腎臓機能や電解質バランスに問題がないかも確認します。さらに、前立腺がんの検査としてPSAの採血も行われます。■排尿日誌
頻尿の検査では、排尿日誌が非常に重要です。この日誌は、頻尿の原因を特定するために必要な情報を提供します。例えば、昼間に頻尿がある人が、1回の尿量が50㏄以下か、それとも300㏄~400㏄あるかによって、原因が異なります。
50㏄以下の場合、膀胱が尿を貯めることができない蓄尿障害が考えられます。一方、300㏄~400㏄以上の尿量が毎回出ている場合は、飲水量が多いか、ホルモン異常が原因の可能性があります。
夜間の頻尿についても、排尿日誌を用いて1回の尿量を確認することで、蓄尿障害なのか、それとも夜間に作られる尿量が多いのか(夜間多尿)を判断できます。この検査では、患者様に自宅で24時間の尿量を記録してもらいます。
■尿流量動態検査
尿の勢いを測定する検査があります。トイレで尿をする際、尿の出る速さを計測します。1秒間に何ml尿が出るかを測定し、その勢いから前立腺肥大症や神経因性膀胱の有無を判断することができます。当院では、この検査を実施しています。尿をためて行う検査です。頻尿・夜間頻尿の治療
■前立腺肥大症
前立腺肥大症が原因の場合、基本的には内服薬で症状を管理できます。詳細は前立腺肥大症のページにも記載されていますが、内服薬でのコントロールが難しい場合には、手術治療が検討されることもあります。■過活動膀胱
過活動膀胱が原因の場合、基本的には内服薬で治療が可能です。患者さんに合ったお薬を選ぶために、さまざまな種類の薬が用意されています。最近では、膀胱内にボツリヌス毒素(ボトックス)を注入し、過敏な膀胱の神経を抑える治療も開始されました。この治療は2020年5月から保険適用となり、当院でも導入されています。
内服薬で過活動膀胱による頻尿をコントロールするのが難しい場合、この治療は非常に効果が高いとされています。効果が切れる時期を考慮し、4~6ヶ月ごとに膀胱内にボツリヌス毒素(ボトックス)を注射します。
■夜間多尿
男性の場合は寝る前に、夜間の尿量を減らす内服薬(ミニリンメルト)を飲むことで、治療効果が高く、患者さんのQOL(生活の質)が向上します。ただし、副作用として電解質バランスが崩れることがあるため、定期的な採血が必要です。この治療により、夜間に5-6回トイレに起きていた方が、1回も起きなくなるというケースも多く見られます。■神経性頻尿
基本的に、内服薬による治療で症状が改善されます。薬の効果によって膀胱内に尿をためられるようになります。特に若い方の場合、ストレスが原因で神経性頻尿が起こることが多いため、生活環境を変えることで症状が改善されることもあります。頻尿の治療費用は?
当院は、全て保険診療で行っています。初診時の診療費用は、薬代を除いておおよそ以下のようになります(3割負担)。・尿検査のみ:2000円前後
・エコー検査のみ:2500円前後
・採血+尿検査:3500円前後
・採血+尿検査+エコー検査:5000円前後
当院は、泌尿器科専門医が在籍し、プライバシーの管理と感染予防対策を徹底しています。老若男女問わず、気軽に受診できる環境を整えています。泌尿器科疾患でお悩みの方は、是非くぼたクリニック松戸五香へご受診ください。 -
3膀胱炎
膀胱炎とは?
炎症は、体内に侵入した異物に対して白血球が戦うことで起こります。この炎症が膀胱で起こる場合、それを膀胱炎と呼びます。 膀胱炎の典型的な症状には、排尿時の痛み、頻尿(尿の回数が増える)、残尿感(尿をした後にまだ残っている感覚)などがあります。時々血尿が伴うこともあります。 基本的に、膀胱炎では発熱は起こりません。発熱と膀胱炎の症状がある場合、腎盂腎炎が疑われます。 膀胱炎の種類には、細菌感染によって膀胱で炎症が起こる急性膀胱炎、原因不明の自己免疫反応による間質性膀胱炎、放射線によって膀胱が損傷し炎症が起こる放射性膀胱炎などがあります。 通常、「膀胱炎」と言うと急性膀胱炎を指しますが、稀に他の膀胱炎であることもあるため注意が必要です。これらの種類については、以下で詳しく説明します。
膀胱炎の検査とは?
■尿検査
尿検査は泌尿器科で非常に重要な検査です。尿中の白血球や赤血球の有無、細菌の存在や感染している細菌の種類を確認します。 必要に応じて、尿中の癌細胞の有無も調べます。
■採血検査
通常、膀胱炎では採血は行いませんが、炎症が重度で出血がある場合や貧血が疑われる場合は採血を行うことがあります。 また、膀胱炎の症状に発熱が伴う場合、腎盂腎炎が疑われるため採血を行います。
■超音波検査
膀胱炎の症状(排尿時痛、頻尿、残尿感など)は、尿管結石や膀胱癌でも起こることがあります。そのため、超音波検査で尿管結石や膀胱癌の可能性を確認し、それらがなければ膀胱炎として治療が行われます。 超音波検査は、ゼリーを体に塗布して体内を調べる無痛で身体に優しい検査です。細かい異常の発見には向いていませんが、大きな結石やがんの除外には適した検査です。
■膀胱鏡検査
尿道からカメラを挿入し、膀胱の表面を直接観察することで炎症の有無や炎症の程度など、超音波では確認できない膀胱の表面の異常をチェックします。 当院ではゼリーによる麻酔を使用して行っております。最新の柔らかい軟性膀胱鏡を使用することで、身体への負担は大幅に軽減されます。膀胱癌や膀胱結石の診断にも軟性膀胱鏡は欠かせない検査となります。
膀胱炎の種類とその治療
■急性膀胱炎
急性膀胱炎とは
急性膀胱炎は一般的に膀胱炎と呼ばれるもので、症状が急激に現れるものを指します。若い女性に多く、トイレを我慢したり水分不足が原因で起こります。また、性行為後にも起こることが多いです。急性膀胱炎は出血を伴うこともありますが、その場合は急性出血性膀胱炎という病名になります。治療方法は同じです。男性は尿道が長いため、膀胱炎になりにくいとされています。急性膀胱炎は放置すると腎盂腎炎に発展することがあります。急性膀胱炎の治療
抗生剤を3日~5日間服用します。ほとんどの場合、抗生剤の投与だけで改善します。漢方薬を処方する医師もいます。再発予防のためには、水分を十分に摂取し、排尿を我慢しないことが重要です。■再発性膀胱炎(膀胱炎を繰り返す)
再発性膀胱炎とは
前立腺が肥大すると、尿の出が悪くなり、膀胱の筋肉が過労になります。その結果、膀胱の神経が過敏になり、頻尿が引き起こされます。この状態は、主に50歳以上の男性に多く見られます。前立腺肥大症によって頻尿が起こる場合も、膀胱に尿が少量しか貯められない状態であり、過活動膀胱と同様に蓄尿障害として分類されます。再発性膀胱炎の治療
膀胱炎の症状がある場合、抗生剤を投与します。再発予防のためには、生活習慣を改善することが大切です。治らない場合は、漢方薬を継続的に服用し、体質改善を目指します。複雑性膀胱炎とは?
免疫力の低下や体内異常が原因で膀胱炎が発症することがあります。体内に結石、腫瘍、または体外からの異物があり、細菌が付着しやすくなることで膀胱炎が起こることもあります。このような原因がある膀胱炎を複雑性膀胱炎と言います。それに対して急性膀胱炎は単純性膀胱炎と言われます。複雑性膀胱炎の治療
原因となる異物、結石、腫瘍を取り除く治療と同時に、抗生物質を投与します。免疫力の低下がある場合は、その原因を探り、根本の病気の治療を優先して行います。■間質性膀胱炎
間質性膀胱炎とは
膀胱上皮の壁の中で原因不明の炎症が起こります。これは細菌感染によるものではありません。 膀胱の壁の中で炎症が起こることで痛みが生じ、尿の貯留が困難になるなど、急性膀胱炎と同様の症状が現れます。特徴としては、膀胱の壁の中で炎症が多発しているため、膀胱が拡張しにくくなり、通常200~300ml貯められる尿が100ml以下しか貯められません。膀胱の壁が膨らむことで傷つき、痛みと共に出血が起こります。 尿中には白血球が出てきますが、細菌はほとんど出てこないため、急性膀胱炎の尿検査とは区別できます。また、ハンナー潰瘍という膀胱鏡検査での特徴的所見があります。間質性膀胱炎の治療
水圧拡張術という方法で、膀胱内に多量の水を注入し、膀胱を膨らませて、膀胱壁から出血させ、膀胱の壁を広げる治療が保険適用の主流です。内服薬では抗うつ薬や抗アレルギー薬剤も使われます。
最近では、間質性膀胱炎に対して保険適用のある内服薬が開発されました。
基本的に細菌が原因ではないため、抗生物質は使用しません。この病気に悩む人が非常に多いため、異常を感じたら泌尿器科専門医のもとで適切な治療を受ける必要があります。■放射線性膀胱炎
放射線性膀胱炎とは
前立腺癌や直腸癌など、膀胱の周囲にがんがある場合、そのがんに対して放射線治療を行うと、放射線が膀胱にも影響を与えてしまうことがあります。 放射線が膀胱を攻撃し、炎症を起こして出血したり、頻尿や排尿時の痛みなどの症状を引き起こします。これは超音波検査などでは分からないのですが、膀胱鏡検査で見ると一目瞭然にわかります。 膀胱鏡で放射線性膀胱炎に特徴的な所見は、全体的に膀胱が真っ赤になる状態です。放射線性膀胱炎を疑った場合は、膀胱鏡検査が必須となります。放射線性膀胱炎の治療
ステロイド薬の内服が主な治療方法です。約3ヶ月間内服して様子を見ます。再度膀胱鏡検査を行い、放射線性膀胱炎が改善しているかどうかを確認します。
以上の説明から、膀胱炎はさまざまな原因とタイプがあります。症状が現れた場合は、適切な診断と治療が必要です。泌尿器科専門医に相談し、適切な療を受けることが重要です。早期発見と適切な治療が、症状の改善や再発の防止に繋がります。また、予防策として、水分補給を十分に行い、排尿の習慣を整えることも大切です。
さらに、免疫力を高めるために、バランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動などの健康的な生活習慣を心がけることも、膀胱炎の予防に役立ちます。
膀胱炎は、女性だけでなく男性にも発症します。性別に関係なく、膀胱炎の兆候を感じた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。治療が遅れると、腎盂腎炎などの合併症が起こる可能性がありますので、注意が必要です。診療費用
当院では、すべての診療が保険適用となります。初診の診療費用は、薬代を除いて、おおよそ以下のようになります(3割負担の場合)。・尿検査のみ:約2,000円
・エコー検査のみ:約2,500円
・採血+尿検査:約3,500円
・採血+尿検査+エコー検査:約5,000円
・膀胱鏡検査:約4,000円
4過活動膀胱(OAB)
急に尿がしたくなり、そのため頻尿になっている状態を過活動膀胱と言います。また急に尿がしたくなった時にトイレまで間に合わずにもれてしまうというような「切迫性尿失禁」がある、夜中に何度も尿意で目を覚ましてしまう「夜間頻尿」などが症状としてみられる病気です。さらに切迫性尿失禁(UUI)を伴う過活動膀胱が問題となっています。当院は内服薬だけでなく干渉波(ウロマスター)など導入し難治性の疾患についての経験も豊富です。ぜひご相談ください。