【治療しないと怖い！クラミジア感染について】

妊娠中期までにする検査でクラミジア検査があります。

陽性の場合はパートナーも必ず治療が必要になっていきます。

クラミジアは必ず治療した方がいい重要な病気です。

それについて解説していきたいと思います

【妊婦さんのクラミジア検査は？】

クラミジア検査は抗原と抗体検査がありますが、

赤ちゃんに感染するかどうか子宮頸管の抗原を調べて

検査します。もし陽性の場合は出産までに治療を完了しなければ

いけないので30週までに行う必要があります。

【クラミジアは性感染症です】

クラミジアは性行為で感染します。プールや大衆浴場で

感染することはありません。

クラミジア感染者と性行為を行うと５０％の確率で

感染するといわれています。

クラミジアは性器以外にも男性の尿道や咽頭にも

感染することがあります。

クラミジアに感染するとHIVに感染する確率が3－5倍増えると

いわれています。

【どれくらいの方がクラミジア？】

女性でクラミジア陽性と出るとショックを受けられる方も

少なくありません。しかしクラミジア感染は珍しい病気ではありません。

20代前半では性行為の経験がある5－１０人に1人が感染しているといわれています。

男女ともクラミジア保有率は3－５％といわれていますのでまれな感染症ではありません。

【症状は？】

男性の症状は大きく分けて2つです。

①尿道炎

2－3週の潜伏期間の後に排尿時痛、漿液性の尿道分泌物が出てきます。

②精巣上体炎

睾丸の上にある精巣上体（別名副睾丸）という場所が腫れて、痛みや発熱が現れます。

女性の場合は症状が出れば特に深刻です。

しかし女性の場合は無症状である場合が多く卵管障害や卵管性不妊症などの症状が出てから

診断されることも多いです。

①子宮頸管炎

子宮頸管炎は感染してもほぼ無症状ですが将来的に卵管炎や腹腔内感染を起こすことが

ありますので早めの治療が必要になっていきます。

②子宮付属器炎

子宮頸部からクラミジアが卵管へと波及した場合でも、発熱や腹痛などの自覚症状などが乏しい

場合は発見が遅れることがあります。十分な治療をしていない場合は反復感染する場合があるので注意が必要です。

卵管炎が継続すると卵管の内腔が狭窄したり蠕動運動障害が起こり

子宮外妊娠や卵管性不妊の原因になります。

③骨盤腹膜炎

反復感染を起こすと卵管を通じて骨盤内まで波及すると骨盤腹膜炎を起こします。

下腹部痛や性交痛や発熱などの症状が出現し緊急の場合があります

④肝周囲炎

骨盤内から上腹部まで炎症があると肝に炎症を起こして下腹部痛と強い上腹部痛

が起こることがあります。

⑤咽頭感染

オーラルセックスにより咽頭にクラミジアが感染する場合は増加しています。咽頭に感染したものは性器の感染よりも時間がかかることがあり、通常の扁桃炎などで抗生剤が処方されて

改善しない場合は咽頭のうがい液などで検査する必要があります。

【検査法は？】

現在は培養検査ではなくクラミジアの抗原検出が可能であるPCR検査をすることが

一般的です。遺伝的検査は検出感度も高いです。

女性の場合は子宮頸部だけでなく、外陰部や膣内の検体採取の方が優れている

結果があります。

男性の場合は初尿を採取してPCR検査を調べます。また淋菌との混合感染の可能性も

３０％くらいあるためクラミジアと淋菌を同時に調べる検査をします。

男女とも咽頭の感染が考えられる場合はうがい液によるPCR検査を行う場合があります。

【治療法は？】

大事なことはパートナーとの反復感染の可能性がありますので

必ずご夫婦で治療を受けましょう。男性は泌尿器科を受診していただく

ことをおすすめします。

治療薬は　経口薬であるアジスロマイシン　1000mgを単回投与（内服は１回だけ）

妊婦さんでも大丈夫です。

改善しない場合は点滴などをする必要がある場合があります。

【男性は泌尿器科で相談を】

男性もクラミジア感染をしっかり治療することが大事です。

女性は婦人科でそして男性は泌尿器科でしっかり受診し

治療をしていきましょう。

当院では治療結果はスマホに通知する機能もありますので

通院が困難な場合はご相談していただければと思います。