尿もれ(尿失禁)の治療方法は?泌尿器科医が解説!

目次

尿もれの治療法とは?

40歳以上に起こる方がなんと40%もいると言われているのか尿漏れです。

名前とか自分の意思に関係なく尿が漏れてしまうと言う現象です。

女性であれば一度は経験したことがあるかもしれません。

しかし実際には年齢のせいとかで諦めてしまっていたり

あまり恥ずかしくて言えないなどで治療していないケースが多いと思います。

今回はこの尿漏れについて、どのような治療があるかを

泌尿器科医として解説させていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

尿もれのタイプとは???

まず尿もれ(尿失禁)にはたくさんの型があります。

これをまず把握しておくことが大事です。

①腹圧性尿失禁

皆さん走ったり、突然、立ち上がったり、せきや、くしゃみをしたときに

尿が漏れてしまう経験はありませんか?

これが腹圧性の尿失禁と言うものです。

普通はたくさん漏れないで力を入れた時だけ漏れる原因としては、

骨盤底筋が緩んでいる ことによって起こります。

またお産を経験したり、加齢とともにこの骨盤庭筋が弱くなって尿漏れを起こします。

 

 

 

 

 

 

 

②切迫性尿失禁

切迫性とは急にトイレに行きたくなって我慢ができない状態です。

トイレに行きたいと思ってトイレに駆け込んでいるときに

間に合わないで尿が漏れてしまう。

このような経験はありませんか?

加齢とともに膀胱が過敏になって少ししか尿が溜まっていないのに

尿に行きたくなる状態を過活動膀胱といいます。

この過活動膀胱になると頻尿になるだけではなく、

我慢ができずに尿が漏れてしまう。切迫性尿失禁と言う状態になります。

男性で1番多い原因は前立腺肥大症、

女性では骨盤臓器脱などが原因になることがありますが、原因不明なことも多いです。

特に60歳以上になってくると過活動膀胱の患者さんが増え、

年間14,000,000人の方が悩まれていると言われています。

ぜひしっかり治療を治療することが大事です。

 

 

 

 

 

 

 

 

③溢流性尿失禁

これはおしっこがパンパンになってしまって漏れて出てくる尿失禁のことです。

前立腺肥大症などでおしっこが出にくくなって、

その尿が漏れてしまうことで尿漏れが起こります。

尿がずっと溜まっている状態ですので、

 

そこに感染を起こすと尿路感染症で熱を出したり、

尿が出ないことによって腎機能が悪化し腎不全になるリスクがあります。

ですので早めの対処が必要となってきます。

 

 

 

④機能性尿失禁、

これは排尿に関しては正常ですが、いわゆる歩行が困難になったり、

認知症でトイレが間に合わないなどの状態で尿漏れが起きてしまう状態です

この状況はお薬を飲むと言うことではなく、

リハビリや生活環境を見直していくなどで対処していく形になります。

 

尿漏れの診断方法について

①尿検査

まず尿漏れに関しては、尿が濁っていない日や血尿等がないかどうかを尿検査で調べます。

 

 

 

 

 

 

 

 

②超音波検査、

超音波検査で腎臓膀胱の状態を見て尿漏れが起きている原因として

膀胱内に結石などの異物がないかまた腫瘍等がないか膀胱が出ている。

いわゆる骨盤臓器脱がないか男性では前立腺肥大症がないか、

このようなものを確認していきます

 

 

 

 

 

 

 

 

③排尿日誌

これはご自身で排尿した時刻と排尿量を記録していただく日誌です。

さらに水分量なども記載していただくことになります。

これによりどれぐらい水分をとってどれぐらい尿が出てるかが明確になります。

また尿が漏れている方は、パット等を当てて尿漏れの量等を

測っていただくことで 今後の治療でどれぐらい改善したかも把握できるようになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

④残尿検査

おしっこをした後にエコーなどで尿がどれぐらい残っているかを確認します。

尿が大量に残っていれば尿閉の状態であり、

溢流性の尿失禁の可能性があります。

⑤内診検査

咳をしたり行金でもらったりして尿漏れがあったりする場合は、

骨盤臓器脱と言う状態の可能性がありますので、

お腹に力を入れて膀胱脱や子宮脱がないかを確認します。

下半身の診察になりますので、ご本人がご希望されればする検査となります

尿漏れの治療方法

①保存的治療、

尿漏れが軽度の場合は、骨盤庭筋体操などの尿漏れ体操をすることで

尿を出さないようにすることが可能です。

また、食生活の中でマグネシウムが多い食品を取ることで筋肉を強くしたり、

日常の運動を増やしたり 肥満を解消する便秘を改善させる。

このようなことで尿漏れが治るケースがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②電気刺激療法

干渉低周波や電気刺激療法と言って電気や磁力の力で骨盤庭筋や神経を刺激する治療です。

これにより骨盤庭筋が収縮することで、尿漏れを改善させます

③薬物治療、

尿漏れを治すようなお薬の治療があります。

特に切迫性尿失禁の場合であれば抗コリン薬と言うお薬やβ3受容体作動薬と言うお薬を使って治療をしていきます。

 

 

 

 

 

 

④エムセラ

これはアメリカから来た最新の尿漏れ治療です。

服を着たまま座るだけで尿漏れを改善させる治療方法で手術などの治療は必要ありません。

さらに海外での治療実績ですかエムセラの受けた95%の方が著しい生活改善が認められた。

またエムセラを受けた85%が性的満足度を向上させた等の報告があります。

特徴としては、たった30分服を着たまま座るだけで、

6回の治療で給水パッドの使用数が75%減少すると言うふうに言われています。

メスを使わない日侵襲的な治療のため体への負担が非常に少ないです。

また治療法はすぐに日常生活に戻りますので、生活上の制約もありません。

くぼたクリニックでもエムセラを導入しますので、

ご興味がある方はいつでもご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⑤ボツリヌス毒素膀胱壁注入療法

尿道から内視鏡を入れて、膀胱の膀胱壁にボツリヌス毒素を注入することで、

過活動膀胱が治りにくい方で適用になります。

膀胱をボツリヌス毒素で柔らかくすることによって強制的に過活動膀胱を

尿漏れの改善効果もあります

当院でも今後この治療をしていく予定ですので、ご興味がある方はいつでもご相談ください