梅雨の季節こそ泌尿器症状にご用心

梅雨の季節は、気温や湿度の変化が大きく、体調を崩しやすい時期です。特に泌尿器系の症状は、この時期に悪化したり、新たに発生しやすくなる傾向があります。主な症状とその原因、対策について詳しく見ていきましょう。

梅雨の季節に増えやすい泌尿器症状

  1. 頻尿

    原因

    • 体の冷え: 湿気が多いと汗が蒸発しにくく、体感温度が下がりにくい一方で、冷房の使用や肌寒い日などで体が冷えやすくなります。体が冷えると血流が悪くなり、膀胱の機能が低下して頻尿につながることがあります。
    • 水太り(湿邪): 体内に余分な水分が溜まりやすくなり、むくみや頻尿などの症状が現れることがあります。
    • 自律神経の乱れ: 梅雨は気圧の変化が大きく、自律神経が乱れやすい時期です。自律神経の乱れは、膀胱の働きにも影響を与え、頻尿を引き起こすことがあります。
    • 症状: 排尿回数が増える(目安として日中8回以上、夜間2回以上)。
  2. 膀胱炎・尿路感染症

    原因

    • 細菌の繁殖: 高温多湿の環境は、細菌が繁殖しやすいため、尿道から膀胱に細菌が侵入しやすくなります。特に女性は尿道が短いため、膀胱炎を発症しやすいです。
    • 水分補給不足と排尿回数の減少: 湿気が多いと喉の渇きを感じにくく、水分補給が不足しがちになります。これにより排尿回数が減り、細菌が膀胱内に滞留しやすくなります。
    • デリケートゾーンの蒸れ: 雨や汗で濡れた下着や衣服を長時間着用することで、デリケートゾーンが蒸れ、感染リスクが高まります。
    • 免疫力の低下: 気圧の変化や自律神経の乱れにより、免疫力が低下することも感染症のリスクを高めます。
    • 症状: 頻尿、排尿時の痛みや灼熱感、残尿感、尿の濁り、強い尿臭、血尿、下腹部の不快感・痛み。高熱や背中の痛みを伴う場合は、腎盂腎炎の可能性があり、重症化すると危険です。
  3. 前立腺炎(男性)

    原因

    • 体の冷え: 冷房や雨による体の冷えは、血行不良を招き、前立腺のうっ血や炎症を引き起こす可能性があります。
    • 自律神経の乱れ: 気圧の変化による自律神経の乱れが前立腺の症状悪化に関与することがあります。
    • 長時間の座位: 雨で外出機会が減り、室内で座って過ごす時間が増えることで、骨盤内の血流が滞りやすくなり、前立腺炎を悪化させる要因となります。
    • ストレスや疲労: 梅雨時期特有の体調不良やストレスも前立腺炎の発症・悪化につながることがあります。
    • 症状: 会陰部(股間)の不快感や痛み、頻尿、排尿時痛、残尿感、下腹部や下半身への放散痛など、多様な症状が現れることがあります。

泌尿器症状への対策

梅雨の季節の泌尿器症状に対しては、以下のような対策が有効です。

  • 体を冷やさない:
    • 薄着を避け、特に下半身や足元を冷やさないように心がけましょう。腹巻きやレッグウォーマーの活用も有効です。
    • 冷房の設定温度に注意し、直接冷風が当たらないように工夫しましょう。
    • 湯船にゆっくり浸かることで、全身を温め、血行を促進しましょう。
    • 冷たい飲食物の摂りすぎを避け、常温や温かいものを積極的に摂りましょう。
  • 適切な水分補給と排尿:
    • 喉の渇きを感じなくても、こまめに水分を補給しましょう。ただし、一気に大量に飲むのは避け、少量ずつを頻繁に摂るのが良いでしょう。
    • 排尿を我慢せず、尿意を感じたらすぐにトイレに行く習慣をつけましょう。
    • 利尿作用のあるカフェインやアルコールの摂取は控えめにしましょう。
  • 清潔を保つ:
    • デリケートゾーンを清潔に保ち、通気性の良い下着を選ぶようにしましょう。
    • 雨や汗で濡れた下着や衣服は、速やかに着替えましょう。
  • 自律神経を整える生活:
    • 規則正しい生活リズムを心がけ、十分な睡眠をとりましょう。
    • 適度な運動やストレッチは、血流改善やストレス軽減に役立ちます。雨の日でも室内でできる運動を取り入れましょう。
    • ストレスを溜め込まず、リラックスできる時間を作りましょう。
  • 食生活の工夫:
    • 体を温める食材(ショウガ、ネギ、ニラなど)や、体内の湿気を排出すると言われる食材(小豆、緑豆など)を取り入れるのも良いでしょう。

 

いかがでしたか?当院では泌尿器科専門医が常時おり、予約なしでも受診可能です。上記の様な症状がある方はご受診を検討してみてください!