巻き爪(ワイヤー治療)
爪の役割
指先の中央部分は骨で構成されており、その外側は柔らかい組織で覆われています。この組織の外部は皮膚で覆われております。足を地面につけた際、爪は指の変形を防ぎつつ体重を支える役割を果たします。このため、爪は指の下部から受ける圧力を均等に分散し、その形を保持します。
巻き爪の主な原因
巻き爪は、爪への圧力のバランスの乱れから生じることが一般的です。
(1)指の下部からの適切な圧力がない状態
例として、長時間の寝たきりや浮き指の状態、靴のサイズや形状が不適切で指が浮く状態などがあります。
(2)靴のサイズが合わず、指に側面からの圧力がかかる状態
この圧迫感は、指の柔らかい部分が爪のサイドに乗り上げて、爪を巻き込む形に変形させる要因となります。
(3)深爪の状態
深く爪を切ることで、指の柔らかい部分の変形が増加し、結果的に爪の形状が変わることがある。
その他の要因
遺伝、靴内の湿気、極端に薄い爪や、爪白癬(爪水虫)による爪の肥厚なども巻き爪の原因となり得ます。
巻き爪の対応方法
手術的なアプローチと非手術的なアプローチの2つが考えられます。
(1)手術的アプローチ
巻き込まれた爪の部分を取り除くと共に、同部位の爪が再生しないよう処置します。炎症が強いケースや、明らかに爪が太い場合は、この方法が選択されることが多いです。この手法は医療保険の対象となり、短期的な解決が期待できます。ただし、爪が狭くなることや、手術後の痛み、再発のリスクも考慮する必要があります。
(2)非手術的アプローチ
ワイヤーや樹脂の弾性を利用して、爪の形状を矯正します。この方法は医療保険の適応外で、治療には時間がかかることが一般的です。矯正後も、歩行の仕方や適切な靴選びなどの予防策が必要です。
3TO(VHO)による巻き爪矯正治療
当クリニックでは、手術を避けたい方のための「痛みの少ない血の出ない治療法」として、3TO(VHO)技術を取り入れた巻き爪矯正治療を提供しています。この治療は保険の対象外となるため、自費での施術となります。
皮フ科シュウゾー院長 河合修三先生ご提供
3TO(VHO)とは?
3TO(VHO)は専用のワイヤーを使って爪を矯正する方法です。具体的な手順は以下の通りです。
・爪に合わせて専用のスチールワイヤーをカットし、爪の湾曲に合わせてワイヤーを形成します。
・このワイヤーを爪の両側に取り付け、専用のフックで固定します。
・不要なワイヤー部分を除去した後、人工爪でワイヤー固定部を覆います。
矯正に用いるワイヤーは皮膚を傷つけることなく取り付けられるため、痛みはほとんど感じません。約3ヶ月毎にワイヤーの付け替えが必要です。矯正は半年から1年程度を要します。特筆すべき点として、この矯正方法では麻酔の使用が不要です。また、炎症がなければ施術後すぐに入浴や一部のスポーツも可能です。ただし、サッカーのような足に負荷がかかるスポーツは、ワイヤーが外れるリスクがあるため控えることをおすすめします。
3TO(VHO)療法の制限と副作用
強い炎症、爪白癬、または非常に薄い爪の場合、この矯正法の適用が困難となることがあります。初めてのご来院時には、まず診断を行い、適応が確認できた場合に矯正治療に進む流れとなります。ワイヤーが自然に外れることや、爪の破損、爪下出血などの副作用が考えられます。期待通りの矯正効果が得られない場合もあります。
3TO(VHO)矯正治療の料金(ワイヤー代および処置代込)
巻き爪3TOのワイヤー治療 9,900円
巻き爪3TO(VHO)矯正治療(1本の指の矯正) | 初回 | 11,000円 → 9,900円 |
---|---|---|
2回目以降のワイヤー交換付き | 6,600円 | |
再診時でワイヤー交換が不要な場合 | 2,200円 |
※上記金額は全て税込価格です。
当院は3TO(VHO)巻き爪の医療機関として認定されています
https://www.vho.jp/vho/medical/kantoh.html
巻き爪マイスター
巻き爪マイスターは、超弾性合金ワイヤーの弾力を活用して巻き爪を矯正します。爪に穴を開けることなく装着でき、継続的な矯正力を提供します。
■巻き爪マイスターの長所と短所
【長所】
・爪に穴を開けないため、硬く分厚い爪の方でも短時間での処置が可能です。
・爪を割れにくくします。
・過矯正になりにくい。
・処置は基本無痛です。
【短所】
・1趾のみの矯正が可能です。
・ある程度の爪の長さが必要です。
・矯正具が靴下やストッキングを破る可能性があります。
・MRI検査時は取り外す必要があります。
■診察前の準備
ネイルは自宅で除去してください。
■自宅での処置
専用テープを使用して矯正具と靴下やストッキングを保護し、入浴時にはテープを交換してください。
■次回受診
問題がなければ1~2ヶ月後に受診し、継続か終了かを判断します。矯正具が外れたり、爪に割れや痛みがあればすぐに受診してください。
■次回受診
問題がなければ1~2ヶ月後に受診し、継続か終了かを判断します。矯正具が外れたり、爪に割れや痛みがあればすぐに受診してください。
【より早く巻き爪を治したい方へ】
■リネイル®ゲルについて
リネイル®ゲルは、約24時間で爪を軟化させ、その後数日で再硬化します。矯正具との併用で平坦な爪を維持します。
■リネイル®ゲルの使用手順と注意点
・マスキングテープで皮膚を保護し、塗布後はカバーテープで覆います。
・処置当日は湯船に入らず、シャワーを推奨します。
・患部が濡れた場合は、速やかにクリニックを受診してください。
・約24時間後にテープを剥がし、リネイル®ゲルを洗い流してください。
・日常生活でも、指定の医療用テープで矯正具を固定してください。
・1週間後の受診で矯正具の継続か終了かを判断します。
■その他注意事項
痛み、刺激、かぶれ、爪の割れ等があれば、直ちに受診してください。矯正具が外れたり、損傷した場合は、現物を持参し受診してください。リネイル®ゲル使用後、保護テープの自宅での処理が難しい場合は、クリニックでのサポートが可能ですが、別途費用が発生します。
■巻き爪マイスター価格
巻き爪マイスター+テープ代 | 7,700円(税込) |
---|---|
リネイルゲル | 6,600円(税込) |
2回目以降の処置 | 1,100円(税込) |