前立腺炎
(男性のおしっこの痛み)
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前立腺炎とは??
前立腺炎とは、男性の前立腺という臓器が炎症を起こす病気のことです。
前立腺は、精液の主要な成分である前立腺液を分泌する役割を持つ臓器で、尿道の周囲に位置しています。前立腺炎は、細菌感染や非細菌性の炎症などが原因で引き起こされます。
前立腺炎の症状には、尿の出が悪くなる、頻尿や残尿感がある、排尿時に痛みを感じる、腰痛や下腹部の不快感などがあります。また、熱や寒気、全身倦怠感などの全身症状も出ることがあります。
ここまで述べた前立腺炎は急性の前立腺炎です
急性細菌性前立腺炎は、細菌感染が原因で炎症を起こすため、適切な抗生剤の投与によって短時間で治療が可能です。一方で、慢性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群)は治りにくく、クリニックでも悩んでいる方が多い病気です。しかし、適切な治療を行うことで完治することができます。
慢性前立腺炎は、細菌感染によって起こる場合もありますが、原因が不明の非細菌性炎症であることが多いため、治療が難しいとされています。
前立腺炎の検査は?
尿検査
急性細菌性前立腺炎では尿培養検査で細菌が出てきます。また白血球や赤血球なども尿の中に見られることがあります。慢性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群)では尿検査で異常が見られないことが多いです。血液検査
急性細菌性前立腺炎を疑う場合、炎症の値である白血球やCRPの値を採血して測定します。炎症は、身体内で起こっている火災のようなもので、その大きさを示す値が上がります。急性細菌性前立腺炎では、これらの値が高くなる傾向がありますが、慢性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群)では上昇しないことが多いです。また、急性細菌性前立腺炎では、前立腺癌マーカーであるPSAの値も非常に高くなります。当院では、CRP採血検査は即日で結果がわかる検査となっています。超音波検査
超音波検査は、おしっこの通り道に大きな異常がないかや前立腺肥大などがないかを確認するために行われます。前立腺に炎症があるかどうかを超音波で見つけることは難しいですが、急性細菌性前立腺炎の場合は前立腺が腫大していることがわかることがあります。しかし、慢性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群)の場合は、大きな異常を見つけることはまれです。直腸診
前立腺を触るためには、肛門から指を入れる指診という検査があります。急性細菌性前立腺炎の場合、前立腺を触ることで強い痛みを感じることがあります。しかし、慢性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群)や通常の場合では痛みを感じることはまれです。この検査は、患者が希望しなければ行う必要はありません。
前立腺炎には大きく分けて急性細菌性の前立腺炎と慢性前立腺炎に分けられます。 次に急性の細菌性前立腺炎についてお話させていただきます急性細菌性前立腺炎とは?
急性細菌性前立腺炎は、尿道を通じて前立腺に細菌が感染して引き起こされる病気です。この病気は、前立腺肥大症などによって尿の出が悪くなる方や排尿の問題がある方に多く見られます。基本的には50代、60代以上の男性に多く発生します。尿の出が悪くなることによって、尿に感染するリスクが高くなり、その感染が前立腺に広がることが多いです。性行為によっても感染する可能性はありますが、非常に低いとされています。急性細菌性前立腺炎の症状とは?
急性細菌性前立腺炎では、38度以上の高熱、排尿時の痛み、頻尿、残尿感が生じることがあります。全身に細菌が回ると倦怠感も起こることがあります。尿の出が困難になり、尿閉になる場合もあります。患者さんの状態が急変することもあり、救急車で運ばれてくることもあります。急性細菌性前立腺炎は深刻な場合は死に至る可能性もあるため、早めの受診が必要です。急性細菌性前立腺の治療は?
急性細菌性前立腺炎の治療には、基本的には1-2週間の抗生物質の投与が必要です。ただし、炎症値が高い場合や全身状態が悪い場合には入院が必要となります。また、尿閉になっている場合は、一時的に尿道カテーテルを留置し、尿路を確保する場合があります。慢性前立腺炎(骨盤疼痛症候群)とは?
慢性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群)は、下腹部から下、足にかけて残る痛みやしびれ、臀部の痛みやしびれ、陰嚢の違和感や痛み、排尿時の違和感、残尿感などを総称して呼ばれる症状のことであり、 特定の病気や炎症を指すものではありません。また、下半身全体に症状が出ている必要はなく、足の裏がしびれている、陰嚢がしびれている、痛い、かゆいなど一部の症状がある場合でも慢性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群)と診断されることがあります。しかしながら、検査を行っても異常が見つからないため、クリニックを受診しても適切な治療が行われないケースが多いことも事実です。
慢性前立腺炎の症状とは?
慢性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群)の症状は、腹部から下半身にかけての痛み、しびれ、陰茎や陰嚢の痛みや違和感、おしりのしびれや痛み、排尿時の違和感や残尿感、排尿時痛、頻尿、足の裏や腿裏のしびれや痛みなど、多岐にわたるものがあります。これらの症状が組み合わさった状態の人もいれば、単発の症状の人もいます。慢性前立腺炎の治療とは?
慢性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群)の治療には、基本的には投薬治療が行われます。当院では、患者さんの年齢や体の状態に応じて、前立腺肥大症の薬や漢方薬などを選択して治療を行います。治療計画としては、検査で異常が見つからなかったことを確認してから、2-4週間程度薬を服用して効果を確認します。効果があれば継続し、症状が改善するまで様子を見ます。治療中に薬の効果が現れない場合は、薬を変更することもあります。このような試行錯誤を繰り返し、患者さんに合った薬を見つけるよう心がけています。ただし、1回目の投薬で必ずしも効果が現れるわけではないため、患者さんの状態や年齢を考慮しながら、適切な治療を行っていきます。前立腺炎の治療費は?
当院は、前立腺炎は全て保険診療を行っており、初診の診療費用は、薬代を除いて、尿検査のみでおよそ2000円前後、エコー検査のみでおよそ2500円前後、採血+尿検査でおよそ3500円前後、採血+尿検査+エコー検査でおよそ5000円前後となります(3割負担)。当院は泌尿器科専門のクリニックとして、プライバシー管理と感染予防対策に特に力を入れており、老若男女問わず気軽に受診いただける環境を整えています。
泌尿器科疾患でお悩みの方は、是非お気軽にくぼたクリニック松戸五香までご受診ください。