女性の泌尿器のお悩み

このような症状でお悩みではありませんか?
  • おしっこが近い、回数が多い(頻尿)
  • 腰や背中が痛む 腎臓のあたりが痛む
  • 夜間、何度もおしっこに起きる(夜間頻尿)
  • 尿道から膿が出た (健診などで)
  • 尿が残っている感じがする(残尿感)
  • 血尿やたんぱく尿を指摘された
  • おしっこに血が混じる(血尿)
  • 尿路(腎臓、尿管、膀胱)に結石がある
  • 膣から丸いものが出てくる(骨盤臓器脱)
  • など

なぜ女性の泌尿器科が注目されているのか?

泌尿器科というと性病や前立腺肥大など、男性のための科だと思われていることがあります。しかし、前述した通り、女性も膀胱炎や過活動膀胱、腹圧性尿失禁など様々な病気があり、膀胱がんや腎臓がん、尿管がん、尿管結石といった病気も女性に起こり得ます。女性にとっても泌尿器科は非常に重要です。しかしながら、泌尿器科の医師のほとんどが男性であり、女性が男性医師に泌尿器の相談するのが恥ずかしいと感じることもあるでしょう。
泌尿器科の女性医師を探しても、なかなか見つけることが難しい状況です。このように、泌尿器科は受診できずに困っている女性が多いという問題が注目されています。もう一つ注目される要因は、女性の腹圧性尿失禁手術の発達です。

メッシュを用いたこの手術は、合併症も少なく、治療成績が良いことが明らかになっています。そのため、多くの女性が悩んでいる腹圧性尿失禁が手術で改善されることが注目されています。

 
  1. 1女性が泌尿器科領域でかかる病気について

    1.膀胱炎 膀胱炎は、排尿時痛や頻尿、残尿感などの症状があり、尿道を通じて外から細菌が入り、細菌が繁殖し膀胱で炎症が起こることで発症します。出血することもあります。治療法は基本的に抗生剤の投与です。男性は尿道が長いので尿として洗い流されることが多いですが、女性は尿道が2~3cmと短く、外から簡単に細菌が入りやすいです。膀胱炎は女性特有の疾患と言えます。膀胱炎は一度かかると繰り返してしまうこともあります。膀胱炎の症状を疑った場合は泌尿器科を受診し、しっかりと根治させましょう。


    2.過活動膀胱 過活動膀胱の発症メカニズムは、女性ホルモンの影響や骨盤底筋の緩みが原因とされていますが、明確なことはまだ不明です。基本的に、過活動膀胱は膀胱炎や膀胱がん、尿管結石などがない状態で起こる病気です。これらの病気を除外した上で過活動膀胱と診断されます。少しの尿が溜まっただけで尿意が切迫し、我慢できそうにない尿意切迫感や、尿の回数が多くなるなどの症状があります。過活動膀胱で悩む女性は非常に多いですが、恥ずかしいという理由でなかなか泌尿器科に受診されないことがあります。お気軽に受診していただくことをお勧めします。


    3.腹圧性尿失禁 出産後の女性に多い症状で、くしゃみをしたりお腹に力を入れたりすることで、尿が漏れてしまうことがあります。腹圧性尿失禁は、薬物治療や体操、または手術で改善されます。腹圧性尿失禁は若い女性でも起こり得ます。恥ずかしいと思わずに、お気軽に受診してください。


    4.骨盤臓器脱 骨盤の筋肉の緩みによって、膣を通して膀胱や直腸、子宮などが突出する状態です。骨盤臓器脱は出産後の女性に多く、腹圧性尿失禁を合併することが多いです。基本的には手術療法が適応となります。当院では手術を行っていないため、手術を行っている病院をご紹介させていただきます。


    2女性の泌尿器科領域の検査

    1.採血検査 採血検査では、体中に炎症が起きていないかを調べます。ごく稀に、大きな病気が隠れている場合があるため採血検査で確認しますが、一般的には尿もれ、尿失禁のあるからといって採血で異常は見られません。


    2.尿検査 尿検査は、尿の中の赤血球、白血球、細菌、がん細胞の有無を調べます。尿失禁の原因が感染やがん(悪性腫瘍)などによる場合もあるので、確認します。


    3.超音波(エコー)検査 超音波(エコー)検査は、尿路に異常がないか、結石や腫瘍がないかを調べます。結石や腫瘍が尿失禁の原因になっていることもあります。超音波(エコー)検査はゼリーを体に塗布して器械を当てて診る検査で、痛みを伴わず、被曝もない体に優しい検査です。


    4.尿流量動態検査 尿流動検査は、おしっこの勢いを測ることで尿路に閉塞がないか、膀胱機能に問題はないかを調べます。


    3女性泌尿器科領域の薬物治療

    過活動膀胱に対する薬物治療
    薬物治療はベータ3作動薬、抗コリン薬を使用します。最初にベータ3作動薬を使うことが多いです。それでも治らない場合は抗コリン薬を使用します。更に、それでも治らない時はボツリヌス菌を膀胱内に直接注入することもあります。ボツリヌス菌の治療は2020年に始まった新しい治療法ですが、とても良く効きます。東京泌尿器科クリニック上野→くぼたクリニック松戸五香でも行っております。詳しくは担当医師にご相談ください。


    腹圧性尿失禁に対する薬物治療
    腹圧性尿失禁に対する薬物治療では、まずベータ2作動薬を使用します。これらの薬は、骨盤底筋を強化し、尿失禁の症状を軽減する効果があります。同時に体操や骨盤底筋トレーニングを行っていただくことで、より治療効果が上がります。br> 体操と薬物療法でも改善が難しい場合は、手術治療を検討することがあります。手術治療には、緊急性尿失禁や腹圧性尿失禁に対する様々な手術があります。例えば、尿道の位置を調整して尿失禁を改善する手術や、膀胱の位置をサポートするためのメッシュを使用した手術などがあります。br> 治療方法は患者さんの状況や症状によって異なりますので、専門医とよく相談し、最適な治療法を選択することが重要です。


    排出障害(低活動膀胱)に対する薬物治療
    ジスチグミンまたはウラピジルを使用します。効果を見て、併用することもあります。排出障害に関しては現時点で手術などは存在しません。薬を使用しても排尿後に残尿が多い場合は、感染予防や腎機能保護のために尿道カテーテルを留置することもあります。


    間質性膀胱炎に対する薬物治療
    従来は抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、三環系抗うつ薬などを使用していました。新薬であるジメチルスルオキシド(DMSO)が登場しました。DMSOを膀胱内に注入することで、間質性膀胱炎が改善するとされています。DMSOは2021年から保険適用となりました。


    女性泌尿器領域での漢方薬の使い方
    疾患別の漢方薬の使用例としては、膀胱炎に猪苓湯、腹圧性尿失禁・骨盤臓器脱に捕中益気湯、間質性膀胱炎に当帰芍薬散があります。これらの漢方薬を使用することで改善が見られることがあります。ただし、漢方薬は泌尿器科医師によっては処方されない場合もあるため、医師と相談の上で使用してください。


    4腹圧性尿失禁に対する治療

    1.メッシュを用いた外科的治療 最近では、メッシュを用いた外科的治療が有効であり、内服薬や体操でも効果がない場合に行われます。合併症が少なく治療成績も良好です。くぼたクリニック松戸五香では行っていませんが、治療を行っている病院を紹介できます。


    2.再生医療による括約筋再生 脂肪幹細胞を尿道に入れる治療で、男性の前立腺がん術後の尿失禁に対して行われていましたが、効果が非常に良好であるため、最近では女性にも治療が行われるようになりました。腹圧性尿失禁に対してこの脂肪幹細胞を用いた治療は非常に効果があることが分かっています。


    5女性泌尿器科における予防策 女性の泌尿器科疾患の予防策

    女性の泌尿器科における予防策 女性の泌尿器科疾患の予防策として、以下のことを心掛けることが重要です。

    1.適切な排尿習慣を身につける
    一度に大量の水分を摂取するのではなく、こまめに水分を摂取し、適切なタイミングで排尿を行うことが大切です。

    2.清潔なトイレ習慣を維持する
    トイレットペーパーを使用した後、適切に手を洗うことで、感染のリスクを軽減できます。

    3.骨盤底筋トレーニングを行う
    骨盤底筋を強化することで、尿失禁や腹圧性尿失禁のリスクを低減できます。

    4.健康的な体重を維持する
    過体重や肥満は、骨盤底筋に負担をかけることがあります。適切な体重を維持することで、泌尿器科疾患のリスクを軽減できます。

    5.定期的な健康診断を受ける
    定期的な健康診断を受けることで、泌尿器科疾患の初期段階を見逃さず、早期に対処することができます。


    6診療費用

    当院はすべて保険診療です。 初診の診療費用は、薬代を除いておおよそ以下の通りです(3割負担の場合)。

    尿検査のみ: 2,000円前後

    エコー検査のみ: 2,500円前後

    採血+尿検査: 3,500円前後

    採血+尿検査+エコー検査: 5,000円前後

    くぼたクリニック松戸五香では、現在女性泌尿器科の医師はいませんが、今後の採用を検討しています。また、当院では再生医療や手術は行っていませんが、これらの治療に関するご相談はいつでも可能です。詳しくは担当医師までお問い合わせください。

    くぼたクリニック松戸五香ではプライバシーに配慮しています。

    泌尿器科の病気や症状でお悩みの方はお気軽に受診してください。


    7女性が泌尿器科を受診する際の注意点

    女性が泌尿器科を受診する際には、以下の点に注意してください。

    1.医師とのコミュニケーション
    症状や不安を医師に伝えることが重要です。医師との良好なコミュニケーションが、適切な診断や治療につながります。

    2.受診時の服装
    検査や診察の際に、簡単に脱ぎ着できる服装を選ぶと便利です。

    3.女性専用の泌尿器科クリニックを探す
    女性に対応している泌尿器科クリニックが増えています。女性専用のクリニックを選ぶことで、より快適に受診できます。

    最後に、女性の泌尿器科疾患は、早期発見・早期治療が重要です。症状がある場合は、遠慮せずに泌尿器科を受診しましょう。また、定期的な健康診断や予防策を実践することで、泌尿器科疾患のリスクを軽減できます。健康的な生活習慣を心掛け、泌尿器科疾患から身を守りましょう。