2024年秋・冬のコロナワクチン接種(定期接種)冬に備えての接種を推奨します(レプリコンワクチン接種はしていません)
目次
2024年秋・冬のコロナワクチン接種が始まりました
当院のコロナワクチンについては、ファイザーまたは武田からお選びいただけますので、接種時にお申し出ください。
今年も「接種すべきか、そうでないか」と悩む方が多くいらっしゃると思います。
ワクチンの種類や接種のメリット・デメリットについて情報を集め、慎重に検討することは非常に重要です。
本記事では、ワクチンの詳細や接種対象者、接種頻度、使用ワクチンの種類などを解説し、皆様の判断材料となる情報を提供いたします。
ワクチンを接種するべき人は?
まず、新型コロナワクチンの接種が定期接種化された背景について説明します。
2024年の接種対象者は、65歳以上の高齢者、および基礎疾患のある60~64歳の方が主な対象です。
これは、高齢者や基礎疾患を持つ方が重症化リスクが高いためです。
さまざまな研究によって、コロナウイルス感染症における高齢者の重症化率や死亡率が顕著に高いことが明らかになっており、特に日本においても季節性インフルエンザと比較しても、新型コロナウイルスによる重症化リスクが数倍から数十倍高いとされています。
加えて、基礎疾患を複数抱える方は、コロナに感染した際の予後が特に悪くなる傾向があります。
心疾患、肺疾患、糖尿病などの生活習慣病や免疫力が低下する病気を持つ方々にとって、ワクチン接種は重症化リスクを低減する重要な手段です。
基礎疾患が2つ以上ある方の場合、特に重症化しやすいというデータもあり、こうした方々には積極的な接種が推奨されます。
ワクチンの効果と接種頻度
新型コロナウイルスに対するワクチンの効果は大きく2つの側面があります。
一つは「感染予防効果」、
もう一つは「重症化予防効果」です。
感染予防効果は主に中和抗体の働きに依存し、その持続期間は2〜3ヶ月程度とされています。
このため、パンデミック初期には、感染拡大を抑えるために数ヶ月おきの集団接種が推奨されていました。
一方、重症化予防効果に関しては、T細胞という免疫細胞が主に関与しており、この効果は10ヶ月程度持続することが分かっています。
T細胞は変異株の影響を受けにくく、重症化リスクが高い高齢者や基礎疾患を持つ方にとっては、年1回のワクチン接種が最適な予防手段となります。
今回の定期接種が1年に1度となったのは、このT細胞による重症化予防効果を考慮した結果です。
ワクチンの効果を最大限活用するためには、流行株に対応した最新のワクチンを接種することが推奨されています。
ワクチンの種類:選ぶ基準は?
2024年秋・冬接種で使用されるワクチンは主に5種類あります。
それぞれのワクチンには異なる特徴がありますが、
いずれも新型コロナウイルスの変異株「JN.1系統」に対応しているため、基本的にはどのワクチンでも同様の効果が期待できます。以下に、今回使用可能なワクチンの種類について詳しく説明します。
1. ファイザー社製:コミナティⓇ
対象年齢:6ヶ月以上
コミナティは、最も広く使用されているmRNAワクチンであり、6ヶ月以上の全ての年齢層に対応しています。mRNA技術を使用しており、ウイルスのスパイクタンパク質を標的にした効果が期待されます。ファイザー社のワクチンは、過去に多くの実績があり、特に重症化リスクの高い人々に効果的です。当院でも、このファイザー製のワクチンを採用しており、鎌ヶ谷クリニックで提供しておりますので、相談いただければと思います。
2. モデルナ社製:スパイクバックスⓇ
対象年齢:6ヶ月以上
スパイクバックスもmRNAワクチンで、ファイザー製と同様にスパイクタンパク質を標的にしています。スパイクバックスは、少し異なる技術プロセスを使用しているものの、効果はほぼ同等で、特に重症化予防に優れています。モデルナ社のワクチンは、米国をはじめとする多くの国で使用されており、信頼性の高いワクチンです。
3. 第一三共社製:ダイチロナⓇ
対象年齢:12歳以上
ダイチロナは、日本の製薬企業である第一三共が開発したmRNAワクチンです。対象年齢は12歳以上で、日本国内での供給体制が整っており、国内のニーズに対応したワクチンです。ダイチロナもJN.1系統に対応しており、他のmRNAワクチンと同様の効果が期待されます。
4. Meiji Seikaファルマ社製:コスタイベⓇ
対象年齢:12歳以上
コスタイベは、新しい自己複製型mRNAワクチン(レプリコンワクチン)です。従来のmRNAワクチンと異なり、少量のmRNAが自己複製して抗原が増える仕組みを持っています。これにより、少ない接種量で同等の効果が期待されます。
ただし、当院ではこのレプリコンワクチンは使用していません。使用するワクチンの選択は慎重に行うべきですが、レプリコンワクチンを希望する場合は他の医療機関での接種をお勧めします。
5. 武田社製:ヌバキソビッドⓇ
対象年齢:18歳以上
ヌバキソビッドは、武田薬品が開発した組み換え蛋白ワクチンです。このワクチンは、不活化ワクチンの一種で、従来のワクチンに比べて副作用が少ないという特徴があります。不活化ワクチンは、免疫応答を引き起こすために死んだウイルス成分を使用しているため、体に優しいと言われています。
当院では、このヌバキソビッドもしくはファイザーのコミナティーを採用しており、特に副作用が気になる方にはおすすめです。
当院のワクチン採用方針
当院では、患者様に安全で効果的なワクチンを提供することを第一に考えています。現在、ファイザー社のコミナティと、武田社のヌバキソビッドを主に採用しております。ファイザー社のコミナティは、鎌ヶ谷のクリニックで接種可能ですので、そちらでのご相談もお受けいたします。また、武田のヌバキソビッドは、不活化ワクチンとして副作用が少なく、安全性が高いため、多くの患者様に選ばれています。
一方で、自己複製型mRNAワクチンであるMeiji Seikaファルマ社のコスタイベは、当院では採用しておりません。レプリコンワクチンを希望される場合には、他の医療機関での接種を検討ください。
まとめ:ワクチン接種の判断
新型コロナワクチンの秋・冬接種において、重症化予防が大きな目的となっています。特に、高齢者や基礎疾患を持つ方々は、ワクチン接種によって重症化リスクを大幅に軽減することが期待されています。感染そのものを防ぐ効果もありますが、特に命に関わる重症化を避けるために、接種を積極的に検討していただきたいです。
また、若年層や基礎疾患を持たない方にとっても、ワクチン接種は重要な感染予防手段となり得ます。感染予防効果は短期間ではありますが、大切なイベントや季節性の感染拡大が予想される時期に接種することで、リスクを減らすことができます。
最適な接種時期やワクチンの選択については、医師と相談しながら判断していただき、安心して秋・冬を迎えられるように準備を進めていきましょう。